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アートの起源を探るー原始美術から現代へつながる表現

プラスアートのコラムについて

プラスアートのコラムでは、アートをもっと身近に感じてもらえるような記事をお届けしています。 季節ごとにおすすめの作家を紹介したり、アート初心者の方にもわかりやすく解説したりと、アートの魅力を多角的に発信。 日常の中に自然とアートが寄り添うような、そんなヒントを見つけていただけるような内容を目指しています。 ぜひ、アートの世界を気軽に楽しんでください。

目次

はじめに:原始美術とは?その定義と意義

アートの歴史をたどると、最も古い表現の一つが「原始美術」です。 これは先史時代の美術や部族社会における芸術を含み、西洋美術史が発展する以前の美的表現を指します。
原始美術の目的は、単なる美的な追求だけではなく、生存や文化的な活動と密接に関係していました。 洞窟壁画や彫刻は、狩猟の成功を祈願したり、共同体の儀式に用いられるなど、実用的な目的も持っていました。

では、時代ごとの美術表現にはどのような違いがあるのでしょうか? 本記事では、旧石器時代から新石器時代にかけての美術の変遷を辿りながら、原始美術の魅力とその問題点を考察していきます。

1.旧石器時代の美術:生命を刻む表現

旧石器時代の美術は約2万年前から始まったとされ、生活必需品とは異なり、狩猟や信仰と結びついた表現が特徴です。

洞窟壁画:狩猟と祈りのアート

ビソン ラスコー洞窟

ラスコー(フランス)やアルタミラ(スペイン)などの洞窟壁画には、野牛や馬といった動物が写実的に描かれています。 これらの絵画は、単なる装飾ではなく狩猟の成功を願う儀式的な役割を果たしていた可能性が高いと考えられています。

ヴィーナス像:豊穣のシンボル

ヴィーナス像 ヴィレンドルフ出土

この時代には、「ヴィーナス像」と呼ばれる女性像が数多く作られました。 これらの像は、丸みを帯びた体型や簡略化された顔立ちが特徴で、多産や豊穣を祈る目的があったと考えられています。

2. 中石器時代の美術:群像表現の発展

スペインのレバント地方の岩絵

旧石器時代の美術が主に動物を描くものであったのに対し、中石器時代に入ると人間の姿が群像として描かれるようになります。
代表的なものとして、スペインのレバント地方の岩絵があります。 ここでは、狩猟の場面や人々が共同で活動する姿が、線画で簡潔に表現されています。 この時代の美術は、社会的なつながりや集団での生活を反映したものへと変化していきました。

3. 新石器時代の美術:装飾と象徴の発展

新石器時代に入ると、人類は定住生活を始め、農耕や牧畜を営むようになりました。 この変化に伴い、美術も装飾的な要素を強めていきます。

土器装飾の登場

彩文台付鉢 イラン、イスマイラバード

新石器時代の代表的な美術表現の一つが彩文土器です。 これらの土器には幾何学模様や動物のデザインが施され、宗教的・文化的な象徴を表現していました。

具象から象徴へ

また、女性像や家畜の造形も発展し、単なる再現ではなく象徴的な意味を持つアートへと変化していきます。

4. 原始美術の問題点と後の美術への影響

原始美術の分類の難しさ

「美術」という概念自体が後世に作られたものであり、原始美術を現代の美的価値観で分類することには課題があります。 また、当時の人々が「芸術」として作ったのか、それとも実用的な目的が主であったのかも議論の的です。

後の美術との連続性

原始美術と西洋美術史の流れを直線的に結びつけることには疑問もありますが、象徴的な表現や装飾の概念は、後の宗教美術や抽象絵画にも影響を与えたと考えられています。

5. まとめ:原始美術を知ることで広がる視点

原始美術は単なる美的表現ではなく、生活や信仰と結びついた文化的な活動でした。 洞窟壁画やヴィーナス像、彩文土器などを通じて、当時の人々の思考や価値観を垣間見ることができます。
また、原始美術の象徴的な表現は、後の美術史にも影響を与えており、その連続性を考えることでアートの本質とは何か?という問いに向き合うことができます。
美術を楽しむ際に、こうした原始美術の視点を持つことで、より深い理解が得られるかもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか?今回の記事でよりアートを身近に感じることができたら幸いです。
プラスアートは、「アートを楽しむ」をコンセプトに、展示企画・運営やオンラインショップでの販売など、現代アートをさらに楽しむサービスを提供しています。
才能あふれる若手作家を中心に、個性豊かな作品を厳選してご紹介! 絵画をはじめとする多様なアート作品を取り揃え、初めてアートを購入する方でも安心してご利用いただけます。
また、作品の魅力をより深く知っていただくために、アーティストインタビューやアートの飾り方、購入のポイントなど、役立つ情報をコラムで発信しています。
アートが日常に溶け込み、暮らしを豊かに彩るきっかけになれば幸いです。

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おだやか

執筆者

おだやか / Art Director

美術大学にて油絵、インスタレーションを学び、プラスアートギャラリーにて勤務、展示運営などに携わる。アートと猫が好き。

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