Buutoreiyaado//coode_122-1 #2023 #282 #voogu #dorooingubukku #katto #retacchi #suteikku #akuriru #pate #kami #ki

今作品では、「絵になる」現象について着目し制作している。最終的にデジタルで出来上がった複雑なイメージ（画像）を絵画の支持体として一般的な木のパネルの面に貼り付けることで「絵」にならないかと思い、転写を用いている。また、転写されたイメージの画面の軽さに対して、木のパネルの物体としての存在感を意識し、木という素材に対してパテ埋めとやすりがけを行い、ある意味枠となる部分も作品の一部として制作している。

 〇イメージについて イメージ（画像）の元は、ヴォーグという雑誌１冊分を丸ごと使って制作したドローイングブックから引用している。このドローイングブックではカッターや糊、マスキングテープ、アクリル絵具を使い、雑誌（本）という性質（切り貼りすると別のページにその行為の影響が出る）を使い、それによって別のイメージを簡単に付け加えることや、元のイメージを改変することをしていた。そしてさらにその切り貼りして出来上がった任意の見開き1ページのイメージ（画像）をスキャンし、最終的に1枚のイメージ（デジタル画像）として見た時に、雑誌の中のいらない文字情報や不要な雑誌のテカリやゆがみを削除し、また補正時に足りない箇所を補完し、1枚の「絵」になるように制作した。 その1枚の「絵」でありデータでもあるものが今回の作品の転写したイメージである。

〇なぜ複雑なことをするのか 複雑なことをすることで、寧ろものどうしの性質がどのようなバランスで成立し、印象を与え、そして壊れてしまう（もしくは別の何かに変わってしまう）のかがわかると思う。そしてものが変化していく途中の段階の表現を見ること又は見つけることができると思う。

 制作の順番として、雑誌を丸ごと使ったドローイングブックの制作→見開き1ページをスキャン→Photoshopによるデジタル加工・補正→そのデータの反転したものをポスター印刷→自作の木パネルに転写（木パネルの面にメディウムを塗り、印刷面を圧着）→メディウムが完全に乾いたらポスターの裏面を剥がし取り、印刷面が見えてくるようにする→画面をメディウムによる質感の加工（絵具調合あり）→側面のパテ（絵具調合あり）とやすりがけによる質感の加工という順番で制作している。 建築材としては一般的で仕上げをしてしまえば見えなくなるパテという存在を敢えて、作品の一部（絵具の一部）として側面に使っている。パテに絵具を混ぜて色もつけている。 転写された画面とベニヤの面の段差を感じないように、細かくやすることでポスターとベニヤが一体化しているようにしている。また、転写し紙を剥がす時に全部綺麗に剥がすのではなく、敢えて白い紙を部分的にマチエルとして残している。

■作品詳細

• 作家名：田岡智美
• 制作年：2024
• エディション：1
  
• サイズ：H900mm×W600mm×D45mm(mm)
• 素材：Acrylic, putty and paper on wood panel
  
• 配送までの期間：全体会期終了後2週間〜1ヶ月程度
  
• 取り扱い：株式会社プラスアート

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