私の作品は、人や家、木などのモチーフを使いながら、物理的に見えているもの以外の「暗闇」に目を向けている。ここで挙げる暗闇とは、単に色彩の黒色と言ったものではなく、光景の中で一見見過ごされがちではあるが、その中に漂う気配のようなものである。その暗闇は、単に畏怖の念を与えるだけではなく、時に人の孤独に寄り添うことがあると感じている。
私がこのことに目を向けたのは、誰も知り合いのいない小さな住宅街に住んでいた時に対峙した、孤独な体験が起因となっている。暗闇は孤独を作る装置であり、その孤独に目を向けた時の静謐さや焦燥感が、絵画表現を通ずることによって少し露呈される。私は鑑賞者をそのいくばくかの暗闇にいざないたい。現代において、人の精神を降下した先に何があるのか、何が心を揺るがすのか、絵画表現によってそれを探求している。
1982 鳥取県生まれ、広島県・奈良県育ち
2005 大阪美術専門学校芸術研究科絵画コース卒業
個展・グループ展・アートフェア
2024 ART FAIR TOKYO 2024 (東京国際フォーラム/東京)
2023 『眩しい影』3人展 (新宿眼科画廊/東京)
2022 Seattle Art Fair 2022 (Lumen Field Event Center/シアトル)
2021 井上光太郎展『すぐ隣に潜むものたち』 (KOKI ARTS/東京)
2021 井上光太郎展『HIDEAWAY』 (flotsambooks/東京)
2019 ART FAIR ASIA FUKUOKA 2019 (福岡三越/福岡)
2018 井上光太郎展『VISION』 (KOKI ARTS/東京)
2018 ART FORMOSA (誠品行旅/台北)
2017 井上光太郎展『カレイド』 (Gallery Den mym/京都)
他多数