樋口絢女の制作する「日本画」は、そもそもの描写力すらも素晴らしく、その上で、一部モザイクや擦(かす)れなどデジタル要素が施されているのが特徴的です。
彼女は愛知県立芸術大学日本画専攻3年(2024年1月時点)に在籍しており、日本画らしい金銀の背景に松や花を描いています。日本画は和風がメインであり、洋式メインの現代空間において飾りづらさなどを連想させますが、彼女の作品はデジタル的な要素を含んでおり、和式の部屋でない場所に飾っても違和感なく、むしろ空間を映させる作品で多くの方を魅力しております。学生でありながら作家として活動しておりますが、作品の注目度は高く、今後を期待する作家の一人でございます。
彼女は、「日本画が広くいろんな人に楽しんで欲しい」という想いで作品に現代を象徴するデジタルテイストを作品に取り入れており、日本画に新しい展開を見せております。では、「なぜモザイクや擦れを作品に取り込んでいるのか?」という点においては、日本画が表現力の上手さが求められがちな世界の中で、彼女が自身の制作技術に対して自信をもてなかったことに由来します。彼女は誰しも自信が持てないということはあり、それをぼやかして綺麗にすることに対して肯定的な意見を持っています。
そんな彼女自身の過去と現代においてキャッチーな表現として受け入れられるデジタライズな目新しい表現を重ね合わせた日本画はどこか共感を覚え、多くの人を魅了している理由の一つかもしれません。
【プロフィール】
日本の古典的な表現と現代のデジタルの要素を融合させて、あえて曖昧な表現を感じさせるような日本画を制作しています。
【経歴】
2001 岐阜県大垣市出身
2021 愛知県立芸術大学 日本画専攻 入学
【主な展覧会】
2021
アートイベント100人10exhibition2021 入賞
愛知県立芸術大学主催 干支展final 出品
愛知県公立大学法人企画財務課年賀状デザイン認定
学習2F次元 日本画一年4人展 黒白混淆
2022
日本画専攻4人展 刻 アート空間スカーラ
100人10exhibition 2022 入賞
名古屋三越 催物会場 美術特選会
松菱百貨店 美術特選会
名古屋三越 美術画廊 干支展
2023
+ART GALLERY arts students stars
展阪神梅田本店ハローカルチャー2・4 植物動物大作戦
+ART GALLERY UP AND COMERS
伊勢丹浦和展 select on the stage
名古屋三越 美術画廊 薫風の会
+ART GALLERY hello opening exhibition
古川美術館Fアワード 大学生部門
コミュニティネットワークセンター特別賞受賞
gallery White cube 丸の内
SUNABA gallery 不知火のころ
OSAKA HANSIN ART FES
名古屋三越 干支展
銀座三越 干支縁起物展
豊田画廊 愛しきものたち